1日のスマホ平均利用時間、日本人は約3時間半。年間にすると約53日。つまり、あなたは1年のうちまるまる2か月近くをスマホの画面を見つめて過ごしています。そのあいだ、あなたの脳はどうなっているのか?そして、そこから抜け出す意外とカンタンな方法とは。
スマホが脳にやっていること
べつにスマホが悪いとか言いたいわけじゃないんです。便利だし、楽しいし、仕事にも必要だし。
でも、知っておいたほうがいいことがあります。
通知1回 = 集中力23分ロス
カリフォルニア大学アーバイン校の研究によると、作業中に通知で中断されると、元の集中状態に戻るまで平均23分15秒かかるそうです。
1日10回通知が来たら? 単純計算で約4時間分の集中力が吹き飛んでいることになります。「今日なんか全然仕事進まなかったな……」の正体、これかもしれません。
スクロールは脳の「ジャンクフード」
SNSをスクロールするたびに、脳内ではドーパミン(快楽物質)がちょっとずつ放出されます。「次の投稿はもっと面白いかも」という期待感が、スロットマシンを回す感覚と同じ脳の回路を刺激しています。
栄養はゼロなのに手が止まらない。まさに脳のジャンクフード。
「マルチタスク」は幻想だった
「自分はマルチタスクが得意」と思っている人ほど要注意。スタンフォード大学の研究では、マルチタスカーを自称する人は、実は注意力・記憶力・タスク切り替え能力のすべてで劣っていたという結果が出ています。
脳は同時に2つのことを処理しているのではなく、高速でスイッチしているだけ。そしてそのスイッチのたびに、脳は消耗しています。
「デジタル疲れ」のサイン、出てませんか?
以下にひとつでも当てはまったら、脳が「助けて」と言っているかも。
- 電車で何もしない時間が不安に感じる
- トイレにもスマホを持っていく
- 寝る前のスマホがやめられない
- 本を読もうとしても3ページで集中が切れる
- 「最近、なんかずっと疲れてる」と感じる
- 面白い動画を見てもすぐ次のを探してしまう
4つ以上当てはまった方、おめでとうございます。あなたは普通の現代人です。(全然おめでたくない)
脳を救う「オフライン時間」のつくり方
いきなり「スマホを捨てろ」なんて言いません。ちょっとした工夫で、脳は驚くほど回復します。
レベル1:通知オフ作戦
まずはSNSの通知をオフにしましょう。全部オフが無理なら、LINEと電話だけONにして、あとは全部切る。これだけでも集中力が全然変わります。
レベル2:スマホ置き場をつくる
家に帰ったら、スマホを「決まった場所」に置く。ポケットに入れっぱなしにしない。手元にないだけで、脳は「チェックしなきゃ」というプレッシャーから解放されます。
レベル3:1日5分の「デジタルデトックスタイム」
ここからが本題。1日5分だけ、完全にオフラインの時間をつくってみてください。
やり方はカンタン:
- スマホを別の部屋に置く
- 椅子に座って、背筋を伸ばす
- 目を軽く閉じて、呼吸に意識を向ける
- 5分経ったら終了
「え、これだけ?」と思うでしょう。はい、これだけです。
でもこの5分間、あなたの脳ではすごいことが起きています。
5分の「オフライン瞑想」で脳に起きること
前頭前皮質が活性化する
意思決定や衝動の抑制を担う前頭前皮質が活性化します。つまり、「もう1本だけ動画見よう」という衝動にブレーキをかけやすくなる。
デフォルトモードネットワークが整う
ぼんやりしているときに活性化する「デフォルトモードネットワーク」。スマホの使いすぎでこの回路が疲弊していますが、5分の静寂でリセットがかかります。
コルチゾール(ストレスホルモン)が下がる
情報の洪水から解放されることで、ストレスホルモンが低下。継続すると、慢性的な疲労感が軽減されていきます。
これ、名前をつけると「マインドフルネス」って言います
ここまで読んで「あれ、これって瞑想じゃない?」と気づいた方、鋭い。
そうなんです。スマホを置いて、呼吸に意識を向ける。これはマインドフルネスそのものです。Google、Apple、Intelといった世界的企業が社員に推奨しているのも、まさにこれ。
そしてマインドフルネスのルーツをたどると、坐禅にたどり着きます。1,500年前のお坊さんたちは、スマホがなくても「心がうるさい」ことに気づいていたんですね。さすがです。
彼らが編み出した解決法が、「ただ座る」こと。シンプルだけど、1,500年間ずっと効果があり続けている、人類最古のライフハックかもしれません。
今すぐできる3つのアクション
- 今夜:寝る30分前にスマホを別の部屋に置いてみる
- 明日の朝:起きてすぐスマホを見る代わりに、5分間目を閉じて深呼吸
- 今週末:近くのお寺の坐禅会に参加してみる(意外と楽しいですよ)
脳を救えるのは、あなただけです。まずは今夜、スマホを置くところから。